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みずはらゆみさんのセラピストライフ〜自宅サロンセラピスト

2022/01/28
みずはらゆみさんのセラピストライフ〜自宅サロンセラピスト

 埼玉県越谷市にて、これまで10年にわたって自宅サロン「ルチュバリ・アロマロンド」と、セラピースクール「バリコネクト」を運営している、みずはらゆみさんのセラピストライフを紹介します。

【育成セラピスト編】はこちら

 

 「ルチュバリ・アロマロンド」では、みずはらさんがバリ島で学んだ、本格的なバリニーズマッサージを提供しています。

 

 精油もオイルもバリのものにこだわっていて、サロン内は置物や布などのバリグッズに溢れているそうです。

 

 バリニーズは、王宮で行われていたといわれるインドネシアのバリ島に古くから伝わる伝統療法であり、ヒーリング要素も備えているセラピー。

 

 ホットストーンで体を温めながら、頭から足のつま先まで全身をトリートメントする、みずはらさんいわく「比較的圧が強くてエネルギッシュ」な施術です。

 

 みずはらさんのサロンのお客様は、20代から50代と幅広い年齢層の女性です。

 

 なかには、自分に合ったセラピーを探し求めるお客様が、みずはらさんのサロンに辿り着き、リピーターになった方もいるのだそうです。

 

 また、セラピストが来店することもあり、「ファーストタッチから深い眠りに落ちそうだった」と感想をもらったり、「しっかりした圧があるのに、なんで痛くないんだろう?」と不思議がられることもあるといいます。

 

「体調に悩みを抱えている方も、癒やしも求めている方も来店されます。私のサロンでは、トリートメントとともに、お客様に合わせてセルフケアや食養生をお伝えしますし、お悩みも聞きます。“こういうサロンを探していた。見つかってよかった”とご感想をいただくこともありますね。もちろんご感想をいただかなくとも、リピートしてくださるのは期待に応えられているからと励みにしています」(みずはらさん談)



いつも背中を押してくれたのは、

 みずはらさんがバリニーズセラピストになるまでの経緯について、お話を聞きました。

 

 ご実家が理髪店だったという みずはらさん。

 理髪店といえば、人の髪や顔に触れることも、ときにマッサージをすることも自然に行われる環境です。

 

 子供の頃の みずはらさん自身も、お母様に顔や体をマッサージしてもらってきたことで、マッサージを自然なものとして成長しました。

 

 サロンを開業する以前、みずはらさんは趣味と健康のために、あちこちのサロンで施術を受けていたそうです。

 

 当時とくに気に入っていたのがバリニーズだったそうです。

 

 ただ、理髪店を営む両親の姿を見て、個人事業の難しさを知っていた彼女。

 

 自分がセラピストとしてサロンを持つことなど、夢にも思わなかったと言います。

 

 そんな彼女がセラピストになるきっかけは、娘さんが背中を押してくれたことでした。

 

 みずはらさんは、娘さんが中学生の頃に体の不調を訴えるようになって以来、就寝前のマッサージを毎日の習慣にしていたそうです。

 

「ある日、“お母さん、マッサージが上手だから、プロとしてやったらいいよ”と、娘が言ってくれたんです。しかも、主人まで娘が説得してくれて……。でも、いきなりバリに行くのには勇気が足りなくて、まずは日本でアロマテラピーを学ぶことにしました」(みずはらさん談)

 

 その後、アロマセラピストとして自宅サロン「アロマロンド」で活動するようになった みずはらさんは、平行してセラピストの仲間とともに協会を立ち上げ、セラピストの講師を育成するスクールも始めます。(これが現在の「バリコネクト」へとつながっていくのですが、詳しくは【育成セラピスト】をご参照ください。)

 

 家族の協力があったにせよ、家事と自宅サロンとスクールを同時にこなすのは、かなり大変だったはず。

 

 2年ほど走り続けた頃、スクールをしていた協会が解散することになり、燃え尽きた みずはらさんは「一旦、セラピストも終えてもいいのかな」と考えたこともあったようです。

 

 しかし、「本当はバリニーズを学びたかったんだった」と思い出し、留学の事を考えるようになります。

 

 この留学を後押ししたのも、娘さんでした。

 一緒に旦那さんを説得してくれて、ついにバリへのセラピスト留学が決まったのです。

 

 みずはらさんは、すでにセラピストとして活動していた実績があったことで、初心者用カリキュラムではなく、短期集中カリキュラムを受けることができたそうです。

 

「1週間という短期間でしたが、授業は毎日朝9時から夕方5時まで。先生は交代で教えてくれましたが、生徒は私1人。しかも、全部英語。この時は、とにかくカリキュラムをこなすことに集中して、後のことは日本に帰ってから考えることにしていました。おかげで、私が学びたい以上の課目を取れました」(みずはらさん談)

 

 そして、バリ留学からの帰国後、みずはらさんのサロン「アロマロンド」は、「ルチュバリ・アロマロンド」へと生まれ変わります。

 

 「ルチュ」とは、インドネシア語の「面白い」とか「かわいい」という意味なのだそうです。

 

 こうして、みずはらさんは自宅に生み出した、小さなバリにお客様をお迎えするようになったのです。



校長からのメッセージ

 みずはらさんのサロン「ルチュバリ・アロマロンド」で提供されるメニューは本格バリニーズのみで、施術時間を100分、120分、150分の3つから選ぶ方式。

 

 120分のコースが一番人気で、平均単価は12,000円ほど。

 

 集客・広告活動について みずはらさんに聞くと、これまで10年間、ブログ以外には積極的な集客活動をしていないといいます。

 

 お客様の多くは、みずはらさんの旦那さんやお子さんからの紹介か、既存のお客様からのご紹介なのだそうです。

 

 まれにスクールで学ぶことを考えている方が体験するために来店するということ。

 

 20〜50代と幅広い年齢層のお客様が彼女のサロンに通うのは、こうした理由からなのです。

 

 また、定期的な出張施術も続けてきたというお話も聞けました。

 

 みずはらさんには、サロン経営についてアドバイスしてくれる方がいるそうなのですが、その方のサロンにお客様を集めてもらえるということで、出張施術を長く続けて来られたということでした。

 

 みずはらさんのサロンは、セラピスト1人でお客様1人ひとりにじっくりと対応するスタイルなので、お客様の人数や回転数よりも、着実にリピートしていただくほうが堅実なサロンスタイルといえます。

 

 「信頼できる知り合いからの紹介先は信頼できる」ということもあり、紹介ベースの集客はリピート客になりやすいと言われていますから、みずはらさんの集客に対する考えは的を射ているように思えます。

 

 もちろん、サロンの空間も、セラピストの技術も人柄も重要ですが、「求めていたもの(場所)に出合えた」とか「施術料としては安いくらい」とお客様に言われることがあるとのことですから、みずはらさんのスタイルとしっかりと咬み合うお客様と出会えているのでしょう。

 

 「いつ辞めてもいいつもりで、一日一日、1人ひとりのお客様にしっかり向き合ってきたら、気がつけば10年も経っていました」と、これまでを振り返る彼女。

 

 セラピストとして大切にしていることを聞くと、笑顔でこう語ってくれました。

 

「お客様第一なので、お迎えする私自身の体とメンタルの健康には、とても気を付けています。私が変な顔していたら、お客様のせっかくの時間が台無しじゃないですか。だから、いつも笑顔で玄関先に出られるようにしてます。私、具合を悪くしてお客様のご予約を断ったことないんですよ」(みずはらさん談)

 

 インタビューの最後に、これからのことを聞くと、

「あてにされる以上は、それに応えたい。きっと私が“もうできないわ”ってなるまでやるんだろうな」と笑顔で答えてくれた みずはらさん。

 

 もしかすると、バリには彼女のような明るく世話好きの精霊がいるんじゃないかと、ふと頭に思い浮かびました。