東京都町田市にて、15年にわたって活動している原田尚子さんのセラピストライフを紹介します。
原田さんは、東京都町田市の自宅サロン「ホリスティックセラピー“パチュリ”」を15年にわたって経営しています。
精油を用いたボディやフェイシャルへの施術と、老廃物を出し体を温めるヨモギ蒸し、身体均整法での体の調整などを組み合わせて、お客様1人ひとりに合わせたコースを提供しています。
また、“銀河視点で見た誕生日”から人生の流れを読み取り、セッションでお客様にお伝えする「マヤ鑑定」も行っています。
日常生活をどのように過ごしているかを伺いながら
原田さんのサロンに来るお客様の多くは、40、50代の女性です。
日々の生活の中で、体を快適な状態に保つための定期メンテナンスとして、1ヶ月に1回、来店する方が多いそう。
お客様から最近の健康状態や日常における変化を聴き取り、施術の内容を提案することもあって、お客様が希望される時間内でパーソナルメニューを組んで提供しています。
お客様の中には開業初期から繰り返し利用される方もいて、歳を重ねることで変化していくお体に合わせて、メニューの工夫を続けています。
「来店時に必ずお客様に伺うことが3つあります。それは睡眠、排泄、食生活。日常生活をどのように過ごしているかを伺いながら、その方に合ったメニューを提案しています」(原田さん談)
それらのことを話しながらお客様のひと月を想像する。そして今の状態に合わせてセラピーを提供し、お客様はそこに心と体を委ねていく。
長い年月の中でセラピストとお客様という一種特別な関係が生まれて日々積み重ねられていく。
彼女の話を聞いていて、まさにパーソナルセラピストとしての姿が目に浮かびました。
「この先生に教わりたい」と強く思えた出会いから
原田さんに、セラピストになったきっかけを聞いたところ、「セラピストになろうと思ったわけではなくて、最初は好奇心からでした」と語ってくれました。
彼女がアロマセラピーを学び始めたのが2000年のこと。何か習い事をしようと探していた時に、思い浮かべたものの中にアロマやハーブなどの自然療法もあったそうです。
実は彼女のお母様がハーブやアロマを生活の中に取り入れていたということもあり、自然療法が身の回りに溶け込んでいたことの影響もあったのでしょう。
そして、スクールを探しているうちに、「この先生に教わりたい」と強く思える先生に出会い、入学します。
そこで初めて受けたアロマオイルトリートメントの気持ち良さに感激。それだけでなく仲間に施術をして喜ばれたことで、セラピーへの思い、そしてセラピストとして歩もうとする気持ちが強くなっていったそうです。
それからスクールを卒業後、原田さんは複数のサロンに勤務し、経験を積みます。
その後、整体院の休業日に部屋を借りて施術を提供する、いわばレンタルサロン形式での活動を1年弱行ったそうです。
そして原田さんが自分のサロンを持ったのが2006年1月のこと。最初はビジネスパートナーとシェアする形での独立だったそうです。
そして、2007年の中頃に、彼女1人でサロン運営をするようになり、2012年に自宅サロンに移転。その後、現在のサロンへ移ります。
やっぱり私、人と関わるのが好きなんです
こうして、プロとして活動するようになって以降の10年足らずの間に、状況の変化に応じて活動の場を変えてきた原田さん。
苦労することもたくさんあったそうですが、
「頼ってくれるお客様もいて、自分の力でサロンを運営する喜びも知ってしまったら、すごい馬力が出るんです」と、笑顔で当時を振り返ってくれました。
聞いたところによりますと、サロン移転などはずっと同じ町田市内であったそうです。その時々にお客様にご理解をいただきながら、長く関係を深めていきます。
「やっぱり私、人と関わるのが好きなんです。だから、この仕事に出合えたことは本当に良かった。セラピストという活動を通して、いろいろな人と出会って、勉強も続けてきたら、世界が広がっていきました。そうして得られた情報や人との繋がりを、お客様にお伝えできるのも嬉しいことですから」(原田さん談)
今後のセラピストライフについて原田さんに聞いたところ、「これからも施術を続けていきたい」と笑顔で答えてくれました。
しかし、生涯ずっと同じボリュームで施術を続けられないことも課題として考えているそうで、化粧品や口にするもの、動画など販売拡大も視野に入れていることを話してくれました。
「普段、どんなものを身に付けて、どんなものを口にするか。お客様には日々の生活を大切にしていただきたいと思っています。ですから、生活の中に自然療法の知恵を取り入れやすいアイテムも提供していければと思います」(原田さん談)
校長からのメッセージ
原田さんのサロンで提供するコースの平均的な時間は、120分(18,000円〜)。ただ、施術の前後にゆっくりとお客様と過ごせる時間も大切にしているそうです。
こうした時間の使い方ができるのは、個人サロンの良さの1つといえます。
なお、新規のお客様は、既存のお客様からのご紹介が多いそうですが、最近はSNS((InstagramやFacebook)からのお問い合わせも増えているそうです。
さて、アロマセラピーは、もともと人間に対して全体性(ホリスティック)な視点を持っていますが、原田さんはマヤ鑑定のような人間の意識と無意識の領域にもアプローチできる方法も取り入れることで、セラピーが持つ全体性をより鮮明にしているのではないでしょうか。
そうした思いを示すために、店名に「ホリスティックセラピー」と入れているのだそうです。
彼女がセラピストとして大切にしている想い、それは「あくまでもセラピーの主役はお客様」
セラピストは自分のためにセラピーをするのではなく、お客様のためにセラピーが存在しているということ。
一人ひとり、その時々に寄り添いながらセラピーをし続けてこれたのはそんな想いがあったからに違いありません。
そのことはお客様の心身の健康を支えるための方法を何か1つに限定せずに、良いものを取り入れ続ける姿勢を持ち続けてきたことにもつながります。
学んで得たものを、お客様に還元するという好循環を絶やさなかったことが、15年という長きにわたってお客様と関係性を維持して来られた要因の1つなのだろうと思います。
そして彼女のこれまでの学びの特徴として紹介したいのは、「先生に惚れて学ぶ」という姿勢。
彼女がアロマを学んだのも、よもぎ蒸しを学んだのも、マヤ鑑定を学んだのも。
「この先生から教わりたい」と思ったことや、「信頼する先生から勧められた」ことがきっかけだったそうです。
信頼する人が言うことや教えていることは、当然信頼できます。おそらく学ぶ内容への信頼感は、学ぶ意欲にも大きく関わってくるものなのでしょう。
一般的に言われることとして新しい技術や知識を学ぶことはいいのですが、ただそれだけとなってしまうことが少なくないということ。
たくさん技術や知識を持っているけど、適宜・有効に使えていなかったり、自分の中でシナジー(相乗効果)を持たせられていなかったりすることがあるのではないでしょうか。
その点で、原田さんは信頼できる先生を通して取り込んだ学びを、自分の中で消化して、自分の言葉や実践としてアウトプットしているように思えました。学んだものを関連づけたり、相乗効果を持たせたりして、メニューに活かしているのです。
原田さんを始め、パーソナルメニューを提案できるパーソナルセラピストたち。学ぶことに積極的であると同時に、学んだものを上手く組み合わせて、目の前のお客様1人ひとりのためにメニューとして再構築しているように思います。
こうした力は、パーソナルセラピストとして長くお客様とお付き合いするためにも、またセラピストライフを豊かにするためにも、とても大切なことだろうと思います。
ホリステックセラピー パチュリ