東海地方を中心に、サロン経営、講師として活動しながら、セラピストを支援するシェルパとしても活動している柴田俊生さんのセラピストライフをご紹介します。
【サロン経営】編はこちらから
【セラピスト講師】編はこちらから
柴田さんは自身がセラピストとして活動する一方で、他のセラピストが活動をする上で必要なサポートを提供しています。
つまり、専門性を持ってセラピストを支援する「シェルパ」として活動しているのです。
内容は、動画の撮影、編集、スタジオの提供など。依頼があれば、‟かゆいところに手が届くような“サポートをしています。
まさに、セラピストのアウトプットを助けるシェルパといえます。コロナ渦にある現在は、オンラインでの活動や動画配信の必要性が急拡大しており、意図せず時宜を得たかたちになっています。
徹底的にサポートする黒子になろうと
もともと柴田さん自身、写真や動画を撮ることが好きだったそうです。
そして、身近なセラピストたちが動画コンテンツを必要としている現状を知ったことで、「セラピストを専門的にサポートをすること」を考えるようになり、思い切ってスタジオを改築します。
そして、コロナ禍においてオンライン事業や動画配信をせざるをえなくなったセラピストたちのために、自分は徹底的にサポートする黒子に回ろうと思ったそうです。
実際にシェルパとしての活動を始めたことで、柴田さんは「話す人には話すことに専念してほしい」と願うようになったといいます。
講師であるセラピストが、撮影や編集のことに気を取られてしまって、本来伝えるべき内容が視聴者に伝わらなくなることを心配しているのです。
セラピストはクライアントのケアの専門家で、講師は分かりやすく話す専門家。「動画の配信をみんながやっている」と焦って取り組んだことで、本来自分が専門とする部分が疎かになってしまうのは、実にもったいないことです。
せっかく苦労して撮った動画でも、視聴者に内容が伝わらないのであれば、残念な結果になるかもしれません。
柴田さんは「プロデューサー的な目線を持って見ている」と言いますが、その存在の重要性はおそらく自分で動画の撮影、編集をしてみないと分からないだろうと思います。
柴田さんと同じような活動を始めたい人に対するアドバイスを求めたところ、「かなり難しい」とはっきりと彼は言います。
機材や場所にかかる初期投資もさることながら、撮影にも準備が必要で、撮影中も内容に気を配らなければなりません。もちろん、撮影後には編集作業があります。
「本業の片手間に」という安易な考えでは普通はできないでしょう。
ときには撮影時間が8時間にも及ぶこともあるそうで、「やはり好きじゃなければ絶対にできないね」と柴田さんは笑いながら話してくれました。
校長からのメッセージ
動画の撮影、編集等は価格帯も幅が広いです。
柴田さんは、一人ひとりのセラピストの要望と、自分が提供できるサービスをすりあわせて、その都度価格を決めているそうです(例として、収録から編集アップまで約50,000円)。
今やスマホやPCでも動画が撮れる時代。とはいえ、動画のクオリティを維持することは非常に難しいものです。
無料で公開するものならまだしも、有料のコンテンツで、しかも講座の動画となると、動画のクオリティが講座内容の信頼度にも関わってきます。
その点で、自らがセラピストであり、自分のアロマテラピー講座の動画を毎日1本ずつ配信し続けていて、そしてカメラなどの機材の扱いにも慣れた柴田さんであれば、依頼するセラピストも安心して任せられるだろうと思われます。
セラピストがシェルパとして柴田さんと同じ事をするのは、大変難しいことだろうと思います。
ですが、柴田さんのお話で重要なのは、「本業以外に持っている技能が、他のセラピストの助けになることがある」ということ。それは動画でなくてもよいはずです。
イラストだったり、インテリアだったり、翻訳だったりと、セラピストが隣のセラピストを支援できる方法は、きっとたくさんあるはず。
自分が「専門家レベルではない」と思っていても、他のセラピストから見れば「それで十分だから手伝って!」となる可能性は十分にあるのです。
「大切なのは、僕はこんなことができますよ、と発信を続けること。すると、偶然それを欲しがっている人が見てくれて、“じゃあ1回頼もうか”となる。僕はそういうスタンスです」(柴田さん談)
これからシェルパ活動をしようと考えるなら、自分ができることを発信することから始めてはいかがでしょうか。それなしには、「偶然」も起きませんから。