自宅でのサロンワークの他に、カフェでの施術、お客さまのお宅への出張セラピー、行政からの委託事業、法人先への出張施術、企業アドバイザー、製品開発など様々な分野で活動している中川めぐみさんを紹介します。
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最初はカフェで出会ったお客様からの言葉から
お客様宅に出張してのセラピーが17年に渡る中川さん。そのような活動を始めたきっかけについて聞きました。
もともと中川さんは自宅サロンと、カフェでのトリートメントを同時に行っていました。
すると、カフェで出会ったお客様から「じっくりとケアしてほしい」とお話しされることがあり、様々な事情でサロンに行けないお客様がいることに気がついたのだそうです。
現在、出張セラピーは、月に1、2度、お客様のご自宅やホテルなどに出向いて、トリートメントを行っています。
また、お客様お一人のケースだけでなく、ご夫婦、祖母、母、娘の3世代ご家族、ご友人同士など複数人へのセラピーを依頼されることもあるのだそうです。
ちなみにまったく面識のない人からの依頼は今までほとんどなかったそうですが、「仮に新規の依頼があったら」という問いには、「かなりしっかりとしたお打ち合わせや約束事が必要になってきますね」(中川さん談)
臨機応変さと細やかなルールの中で
出張セラピーに取り組んでみてわかったことを聞いたところ、「事前の確認事項が何より大切」とのこと。
何を持っていき、何を持っていかなくていいのかなどの確認は重要で、たとえばお客様宅のベッドを使わせていただくのか、自分が持参するのかで、セラピーの流れも当然、変わってきます。
提供するメニューは必ずしも決められたものではなく、施術時間60分以上でリクエストのあった時間枠の中で、お客様の状態やニーズに応じたオーダーメイドでメニューを組むことも多いとか。
やはりそれには臨機応変さと細やかなルールなどが出張セラピーを進める上で大切なことなのでしょう。
また、お客様のご自宅ならではの良さとして、お客様がとてもリラックスしていることが多く、また本音が出やすいので、セラピーに生かせるのだそうです。
こうした徹底的にお客様のニーズに寄り添うスタイルなので、客単価はおのずと高くなくなります。
中川さんの場合は、60分以上のコースのみを受け付けていることに加えて、出張費(2,500円)をいただいているそうで、平均の客単価は1人当たり2万円〜。
そのなかにあってお客さまは求め続けています。それは自分の望む環境でセラピーを受けたいというニーズとそれらに対応してきた中川さんがともに作り上げてきたものでもあると思います。
校長からのメッセージ
お客様宅への出張セラピーは、今後、ますます求められるようになるであろうスタイルです。
料理人がご家庭を訪問し、一流の腕を振るうような「出張シェフ」サービスは、すでに広まりつつあります。
オーダーメイドなサービスにできるとともに、店舗を持たなくてもよいので固定費が小さくて済むのが特徴です。これはセラピストにとっても同じ事が言えます。
これから出張セラピーをするならば、「事前の入念な準備」とともに「アレンジ力」を大切さにしてほしいと思います。
「事前の入念な準備」は、お客様に失礼のないようにするためですが、お客様宅でのセラピーはサロンで行うのとは勝手が違うことを、十分に念頭に置かなければなりません。
セラピーを行わせてもらう場所がどんな環境であるかをよくヒアリングし、セラピストはどんな物を持参すべきかを事前に想定しておくとよいでしょう。
ただ、どんなに準備しても、出張先にサロンのように理想の環境が整うことはほとんどないといえます。そこで「アレンジ力」が重要になります。
「こうしたい」というこだわりは大切ですが、状況に合わせてアレンジして、セラピーのクオリティーを保つことも、出張セラピーに求められる能力なのです。
自分が提供するセラピーに「欠かせないもの」と「代用できるもの」を考えたり、「もし○○が使えなかったら」と想像するみるのも、「アレンジ力」を磨くトレーニングになるでしょう。
リラックス&ヒーリングルーム プランニングGreen Garden