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島田敦子さんのセラピストライフ~育成セラピスト

2022/06/28
島田敦子さんのセラピストライフ~育成セラピスト

 北海道札幌市にて、21年にわたって有限会社アズールを経営し、色彩心理・色光心理による個人セッションの提供やスクールの運営、さらに企業に対して色に関する様々なサービスを提供している、島田敦子さんのセラピストライフを紹介します。

 

【カラーライトセラピスト編】はこちら

【企業向けカラーセラピスト編】はこちら

 

 島田さんは、有限会社アズール内の事業「カラーワークス」にて、セラピストを育成しています。

 

 学べるのは色彩心理や色光心理など、島田さんが20年にわたって実践してきた技術と経験を生徒に伝えています。

 

 例えば、色光心理(カラーライトサイコロジー)は、ベーシックコースで6時間、応用コースで10時間、インストラクターコースで20時間と、段階的に学習を進めるカリキュラムが用意されています。

 

 生徒さんは、セラピストになりたい人はもちろん、看護師や教師、人事に携わる人、一般の会社員など、とても多様なのだそうです。

 

 このように生徒さんが持つ背景が多様であるが故に、スクールで身に付けたものをそれぞれの職場や活動方法の中で活かして欲しいという思いから、島田さんは生徒1人ひとりの状況に合わせた指導を心掛けているとのことです。

 

 例を挙げれば、教師の方なら、教室の掲示物の色遣いなどが子どもの感性や集中力に影響する可能性が考えられます。

 

 看護師なら、入院患者の不安を和らげる色遣いもあるでしょう。

 

 生徒さんごとにきめ細かい指導をするために、現在はマンツーマンから3人までの少人数で授業をすることを基本にしていて、場合によっては授業時間も増えることもあるとのこと。

 

 なお、以前からオンライン授業も行われており、生徒さんは全国にいて、中には海外に住む日本人がオンラインで参加することもあったそうです。

 

「色の良いところは、さり気なく取り入れられるところです。色彩心理は1つのツールなので、人によって使い方が違ってもいいわけです。このツールをどうやって、生徒さんそれぞれの活動の中に組み込んでいくか。そういうことも、授業では一緒に考えていきます。生徒さんにはここで学んだことを、どんどん使って欲しいと思います」(島田さん談)



その人の持ってる能力が開花すればいいから

 島田さんがスクールを始めたのは、20年程前。サロンの開業と同時でした。

 

 彼女の経歴については【カラーライトセラピスト編】で紹介しましたが、何かの指導者経験があったわけではなかったとのこと。

 

 にも関わらず、彼女がサロンの開業と同時にスクールを始めたのを不思議に思い、私がその理由を聞くと、島田さんは少し考えた後で「当たり前のように、教えるものだと思ってました」と答えてくれました。

 

 インタビューをする中で見えてきたのは、サロンでの個人セッションと、スクールでの指導が、島田さんの中ではとても近しいものである、という認識があるのではないかということでした。

 

「スクールとサロンでのスタンスは、たぶん一緒なんです。お客様であっても、生徒さんであっても、その人の持ってる能力が開花すればいいから。だから、授業の中で自己研鑽、自己内省というのは、当たり前に入っちゃうんですね。生徒さんからは、人に対しても自分に対しても、見方・考え方が変わったと、感想をもらえることもあります」(島田さん談)

 

 島田さんに「育成において大切にしていること」を聞いた時も、やはり個人セッションとスクールの共通点についての話になりました。

 

「スクールの生徒さんでも、サロンのお客様でも、“依存させない”ということをずっと念頭に置いています。依存させた方が商売になるという考え方もあるかもしれません。だけど、目的は、自分で自分を見つけられることじゃないですか。依存でなくて、自分という軸をきちんと持って動く。どういう仕事をしようと、セラピストになろうとならなかろうと、自分軸をしっかり持つことを、授業の中で伝える必要があると考えています」(島田さん談)

 

 これからもスクールの運営を続けるにあたって、「私はとにかく勉強していかないと」と島田さんは言います。

 

 ドイツなど、海外には色や光を医療に取り入れている国があるそうです。

 

 そうした国からは、新しい研究や臨床結果がもたらされ、情報はどんどん更新されていくとのこと。

 

 島田さんは、常に情報を取り入れて、できるだけ新しいものを生徒さんに伝えていきたいと言います。

 実は、カリキュラムや教材も年々ブラッシュアップされているそうです。

 

 そうした姿勢で臨んでいるからこそ、「カラーライトサイコロジー(色光心理)」のような、新しいメソッドも生み出されていくのでしょう。

 

 スクールの目的は、あくまで「生徒さん1人ひとりが才能を発揮して輝くこと」。

 そのために、育成する立場として、できることはするし、常に学ぶことを絶やさない。そうした努力を怠らない一方で、生徒さんには自然体で接することができる。

 

 そうした島田さんの姿勢こそが、実は生徒さんにとっての格好の教材なのでしょう。


「私、かっちりとした先生じゃないから!」と笑顔で話をする彼女の姿を見ながら、私はそんな事を考えました。



校長からのメッセージ

 島田さんのスクールでは、生徒さんが参加するきっかけは、多くが他の生徒さんや卒業生からの紹介だそうですが、個人セッションのお客様が生徒さんになることもあるとのこと。

 

 他にも、ホームページなどインターネットからの申し込みも増えてきているそうです。

 

 また、オンライン授業についてはすでに取り組んで来ているようですが、今後はより授業を受けやすい仕組みを含め、さらに周知する方法を模索しているそうです。

 

 セッションを中心にしたセラピーは、直接、体に触れる必要があるボディワーク系のセラピーよりも、オンラインとの相性は良いでしょう。

 

 ただ、パソコンやスマホでも色に対する感覚を共有しやすいか、といえば、必ずしもそうではないはずです。

 

 画面越しでは、正確な色が伝えられないからです。画面で見る色は、あくまでもパソコンで再現された色なので、実物とは違いが出ます。

 

 もちろん、家庭用のプリンターでは色が再現しきれないので、きちんとした教材が重要になるはずです。

 

 このあたりは、島田さんの広告代理業時代の色の配合へのこだわりも、きっと教材に活かされているのだろうと思います。



 さて、インタビューの中で、島田さんは「依存させないこと」「自分軸を持つこと」を大切にしていることを教えてくれました。

 

 彼女がその重要性を強く感じるようになったきっかけ。それは、過去の失敗にあったことを話してくれました。

 

 実は、以前、島田さんは駆け出しのセラピストのためにと、サロンをシェアすることもしていたとのこと。

 

 島田さんのスクールの生徒さんに限らず、独立開業前のセラピストを受け入れていたそうです。

 

 たしかに、開業のノウハウを学んだり、サロンワークの経験を積む場所は限られているので、新人セラピストにとっては、とてもありがたい仕組みです。

 

 ですが、残念ながら、その状況に甘えてしまうセラピストもいたそうです。

 

「サロンをシェアしたことで、私がお客様を呼んでくれると思っていたみたいで。セラピストは基本、自営業なので、自分でお客様を呼び込む努力が必要になってくるのに。図らずも、自分で相手を依存させる状況を作ってしまったんです」(島田さん談)

 

 島田さん自身が広告代理業で独立開業して、厳しい現実やお客様のありがたさを身に染みて感じているからこそ、そんな姿を一層もどかしく感じるのかもしれません。

 

 ただ、耳の痛いことを言うには、信頼関係を築いておかないとトラブルになりやすいものです。

 

 この経験から、島田さんはサロンをシェアすることを止め、自分のスクールに来る生徒さんには、依存させないことを心掛けるようになったそうです。

 

 もちろん先生と生徒は、ただでさえ依存関係になりやすいものです。

 

 セラピストとお客様の関係でも同じでしょう。しかし、その関係性が明るい未来を拓ける健全な姿かと言えば、決してそうとは言えません。

 

 島田さんが、セッションやスクールで、「依存させないこと」「自分軸を持ってもらうこと」を肝に銘じているのは、厳しいようでいて、やはり生徒さんやお客様のことを思えばの、彼女の優しさだと思うのです。

 

 翻って私自身のことに落とし込んだ時に、セラピストの学校に繋がってくれるセラピストやシェルパの皆さんとは、1人ひとりが自立した関係で、互いに讃え合える関係でいたいもの。

 

 校長を名乗る者の1人として、そんなことを考えさせられたインタビューでした。

 

アズール カラーワークス札幌

https://www.azul-color.jp/