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Rinaさんのセラピストライフ〜レッスンセラピスト

2021/12/11
Rinaさんのセラピストライフ〜レッスンセラピスト

 大阪堺市にて、自宅サロン「とろり」を運営、一般の方へのレッスンプログラムも提供している、Rinaさんのセラピストライフを紹介します。

 

 Rinaさんは6年ほど前から、一般の方を対象に「自分の体の丁寧な扱い方」をテーマとしたレッスンをしています。


 行うのは、足裏への刺激と、筋膜ストレッチ、筋トレの3つの要素を掛け合わせた「自律心体美トレーニング」です。

 

 堺市内にあるスタジオを借りて、1回60分ほどのグループレッスンを、月に2回ほど行ってきました。


 ただ、コロナ禍となり現在は、参加者を少人数に抑えたり、オンラインレッスンも開始しているそうです。


とても疲れているお母さんたちをみて

 なぜRinaさんがこのような活動を始めたのか? 


 インタビュー前までは、私はサロンのお客様を対象としているものと思っていたのでしたが、実際はそうでないといいます。

 

 実は、Rinaさんには先天性の疾患を持つ娘さんがいます。


 先天的なハンデを持っているお子さんの場合、一般的な幼稚園や保育園の代わりに、医療と教育を備えた「療育」を行う施設に通うことになります。

 

 Rinaさんの娘さんも、そうした療育施設に通っていたのだそうですが、彼女はそこで同じような立場にあるたくさんの親子と出会うことになります。

 

 Rinaさんは、そのお母さんたちがとても疲れていることに、すぐに気がついたそうです。

 

「療育に通う子供のママたちは、いつも子供に付ききりで、自分のケアは後回し。それに、将来への不安もあって、すごく暗い雰囲気でした。私を見て“どうしてそんなに元気なの?”って聞いてくるママさんもいたので、じゃあ、ママさんたちを癒やす場所を作ろうと思ったんです」(Rinaさん談)

 

 Rinaさんは、療育に来るお母さんたちがあまり体を動かさないことに気がついたそうです。


 また、長く子供を支えていくためには、お母さんが心と体の健康を維持しなければいけないことを考えて、「体を動かしながら、セルフケアを身に付けてもらおう」と思い立ち、レッスンセラピストとしての第一歩を踏み出します。

 

 時間的、経済的にも、お母さんたちの負担が大きくならないようにも配慮したそうです。


 人間誰しも不安があると、体を硬くして、心にも余裕がなくなるものです。

 

 ことに子供のこととなれば、片時も目を離したくないという心情もよくわかります。


 しかし、体を動かさないことが、健康に良くないこともよく知られていますし、不安なことばかりを考えすぎてどんどんマイナス思考に陥っていくこともあるはず。

 

 Rinaさんは、自分のセラピストとしての知識と経験を活かして、運動に不慣れな人でも出来るレッスンを考えて、出会ったお母さんたちを対象にレッスンを始めたそうです。

 

 彼女自身が当事者ということもあり、他のお母さんたちも精神的なハードルが低く、また参加者が新しい方を連れてくるという形で、だんだん参加人数が増えていったそうです。

 

「私自身、体が硬いほうなので、ヨガみたいな美しいポーズは1つもありません。丁寧に自分の体を扱って欲しいし、何か不調が出る前にケアできる身体作りをしてもらいたい。少しの時間でも不安なことを考えずに、体を動かすことに専念する時間にしてもらいたいと考えました。体を動かせば、気持ちも変化します。変わることは楽しいことだと伝えたいんです」(Rinaさん談)

 

 やがて療育に通うママたちへのレッスンは、子供たちの成長に伴って減っていきますが、その活動が新しい展開を迎えることになります。



誰ひとり。見落としがないように

 ある健康法の講習会で出会った更年期世代の女性が、Rinaさんの活動に興味を持って、レッスンに参加してくれるようになったのです。


 その方が知り合いにも声を掛けてくれたことで、同年代の参加者が増えていきました。

 

 そうした経緯もあって、レッスン内容も更年期女性の不調を取り除くことを中心に扱うようになっていったそうです。

 

 Rinaさんのレッスンにおいて大切にしていることを聞きました。


 すると、「誰ひとり見落としがないようにしています」と笑顔で答えてくれました。

 

 彼女は、レッスンの中で、参加者の得意なことや苦手な部分に気がついたときに、どんどん声を掛けるようにしているそうです。


 動きだけでなく、体型、声、呼吸など、参加者の細かい部分まで観察し、変化を見つけて、それを口に出して伝えています。

 

 それは、全員を見ているというメッセージであり、誰も取り残されたと思わせないための、大切なポイントです。

 

 グループで行動していても、発言の機会がなかったり、声を掛けられないでいると、どうしても疎外感や孤独感を覚えるものです。


 ですから、全員に声を掛けるというのは、とても重要なことでしょう。

 

 特に、変化があったときに、それをちゃんと認めてあげるというのは、参加者がどんな年齢であっても、やる気を継続させる上でとても大切になります。

 

「これは、以前私が経験したアパレルの接客にも、サロンのメニューにも通じるんですが、来てくれたお客様にお声を掛けて、孤独にさせない。その人に変化があれば、それに気づいてあげたい。私、人が変化するのを観察するのがすごく好きなんです。本人にとっても変化は楽しいことだし、楽しいことが継続の秘訣やと思うんで」(Rinaさん談)

 

 Rinaさんのように「誰ひとり見落とさずに、声をかける」という配慮は、実は相手を不安にさせない上でも重要なことです。

 

 彼女も「不安にさせないっていうのはすごくあります。不安の積み重ねが、うつにつながっていったりするので。“1人じゃないよ、私が居てるよ”が基本なんです」と、自らの経験を交えて語ってくれました。

 

 そんな彼女のマインドに惹かれる参加者やサロンのお客様も多いはずです。

 

 彼女に接すれば、誰もが「どうしてそんなに元気なの?」と、つい聞きたくなるのもよくわかる、そんなインタビューでした。

校長からのメッセージ

 Rinaさんのレッスンの参加費は1人3,000円で、時間は1時間ほど。

 

 昨年からオンラインでのレッスンを開始したそうですが、生徒たちの満足度は落ちていないようです。


 むしろ、オンライン化で場所の制限がなくなったことで、活動頻度が増えて、その分参加者の体が変化するスピードも上がっているようです。

 

 体のケアには習慣化がとても重要な要素なので、月1よりも、週1で行う方が効果的。これは、オンライン化によって得られるメリットの好例でしょう。

 

 オンライン化によるデメリットとしては、見る角度が限られたり、詳細に見るのが難しいことがあげられますが、Rinaさんの場合、彼女のアパレルで鍛えられた観察眼が活かされているのだろうと感じました。

 

 また、オンライン化すると参加者が孤独を感じやすいのですが、前記したようにそれを感じさせない工夫と能力が、Rinaさんには備わっているのでしょう。

 

 さて、ミーティングを円滑に進めたり、参加者の意識を1つのまとめる能力を「ファシリテーション」と言います。

 ファシリテーターを単に進行役と捉えることもできますが、実は「誰1人として取り残さない」ということも大切な役割です。

 

 ファシリテーションは、オンライン会議やオンラインレッスンでもとても重要なスキルで、離れていても全員が一緒にいるような「場を共有する感覚」を生み出せるかどうかは、主催者のファシリテーションに掛かっていると言われています。

 

 Rinaさんの場合、参加者の変化に常に気を配ることで、対面でも、オンラインでも、参加者を孤独にさせないようにしています。

 

 その姿はまさにファシリテーターであり、セラピストとしての姿がそこにあるのではと感じました。

 

 そうした工夫によって、グループでのオンラインレッスンの場合、声を掛けられた本人だけでなく、同時に参加している人全員が「場を共有する感覚」を持つことができるのでしょう。

 

 また、Rinaさんはレッスンを継続してもらう工夫として、毎回違うメニューを行っているそうです。

 

「基本的に同じことをしないんです。今度あれしよ、これしよってネタがいっぱい湧いてくるので、それを毎回出していくのが楽しいんです。なにより私が楽しんでますね! ずっとニヤニヤしながらやっているんですよ」(Rinaさん談)

 

 それは参加者を飽きさせないだけでなく、彼女自身が楽しんで続けるための工夫であるようです。


 変化を楽しむRinaさんに引っ張られて、参加者も変化していく。変化を恐れずに楽しめるようになれば、日々変わっていく自分の体とも楽しく付き合い続けられるはずです。

 

 これからも多くの人の変化を引き出しながら、それを微笑みながら喜ぶRinaさんの姿が、ふと思い浮かびました。

 

自律心体美トレーナーRina

レッスンのサイト

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